医療法人設立は申請直前では遅い?準備を始める時期と実務上の注意点

医療法人設立は、いつから準備を始めるべきか

医療法人化を検討している先生から、

「いつ頃から準備を始めればよいですか」

とご相談いただくことがあります。

結論からいうと、医療法人設立は、設立認可申請の直前になってから準備を始めるのでは遅い場合があります。

東京都では医療法人設立認可申請に受付期間が設けられており、令和8年度第1回受付分からは、東京都医療法人情報支援システムを利用したオンライン提出が原則となっています。システム利用には事前登録が必要で、東京都は利用登録に5営業日程度かかるとしているため、申請直前ではなく余裕を持った準備が必要です。東京都の医療法人設立認可申請については、東京都の案内をご確認ください。

申請書を作る前に整理しておくことが多い

医療法人設立では、単に申請書を作成すればよいわけではありません。

たとえば、次のような事項を事前に整理していきます。

  • 誰が理事・監事・社員になるのか
  • 個人診療所で使用している医療機器や備品をどう扱うか
  • 借入金やリース契約を法人に引き継ぐのか
  • 診療所の賃貸借契約をどうするのか
  • 設立後の事業計画や予算をどう組むのか
  • 法人化後の診療所開設や保険医療機関指定をどの順番で進めるのか

東京都の設立認可申請では、定款、財産関係資料、役員・社員関係書類、事業計画書、予算書など、多くの書類を準備する必要があります。保険医療機関指定の詳細は、関東信越厚生局の案内をご確認ください。認可が下りても、手続きは終わりではありません

医療法人の設立認可が下りた後も、手続きは続きます。

一般的には、

設立認可
↓
法人設立登記
↓
診療所の開設者変更に伴う保健所手続き
↓
保険医療機関指定に関する厚生局手続き

という流れで進みます。

保険医療機関の指定は、原則として毎月1日付けで行われます。また、一定の場合には遡及指定の取扱いがありますが、令和8年9月1日以降は新しい通知に基づく運用となっています。法人化の日程を決める際は、設立認可だけでなく、保険診療開始まで含めてスケジュールを組むことが重要です。保険医療機関指定の詳細は、関東信越厚生局の案内をご確認ください。

申請直前の相談では調整が難しいこともある

医療法人化を決めた後に確認してみると、

「賃貸借契約の名義変更に時間がかかる」
「リース会社との調整が必要だった」
「役員構成を見直す必要が出てきた」
「事業計画をもう一度組み直したい」

といったことが出てくる場合があります。

こうした事項は、申請書を作り始めてからではなく、できるだけ早い段階で整理しておいた方がスムーズです。

いつ相談するのがよいか

具体的な準備時期は診療所の状況によって異なりますが、

「次回の設立認可申請に間に合わせたい」

と考えた段階で、一度全体のスケジュールを確認しておくのがおすすめです。

医療法人設立は、

事前準備 → 設立認可申請 → 認可 → 登記 → 診療所開設手続き → 保険医療機関指定

までを一連の流れとして考える必要があります。

申請受付日だけを見るのではなく、希望する法人化時期から逆算して準備することが大切です。

まとめ

医療法人設立は、申請書類を作るだけの手続きではありません。

現在の診療所の契約関係、財産、役員構成、事業計画、法人化後の診療所開設や保険医療機関指定まで、全体を見ながら準備する必要があります。

医療法人化を考え始めた段階で、まずは全体の流れとスケジュールを確認しておくと、その後の準備が進めやすくなります。


東京都での医療法人設立の具体的なスケジュールについては、すぎばやし行政書士事務所のホームページ「お役立ち情報」で詳しく解説しています。
「医療法人設立にはどのくらいかかる?東京都の申請スケジュールと準備の流れ」